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採用校事例

入念な事前準備で手帳を使う土台づくりを 愛知県立木曾川高等学校 様

普通科と商業科を併設する木曽川高等学校学校では、大学進学や就職活動において、一人ひとりの適正や希望に合わせたきめ細かい進路指導を実施しています。平成26年度より『スコラ』を使って、生徒自身による生活や勉強などスケジュール管理の指導がスタート。今回は、『スコラ』を導入するに至った経緯と、その成果について、3年生学年主任の早川和美先生にお話をお伺いいたしました。

■Profile 昭和31年の創立以来、「剛(厳しさを求め)、恕(思いやりの心を求め)、先(進んで為す)」を校訓に、勉強や部活に積極的に取り組み、なかでもブラスバンド部は強豪校として有名。国際交流活動も盛んで、さまざまな国からの留学生の受け入れや同校生徒の派遣も積極的に実施している。

愛知県立木曽川高等学校
3年学年主任
早川和美先生

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手帳を持つ理念を伝え、使い方をしっかり練習してから手帳を配布

『スコラ』導入前に、他の取り組みは行っていましたか?
もともと本校では、普通科の生徒は1年生から「学習記録」として、1週間に勉強した内容や時間を1枚のプリントに記録してきました。 これによって自身の勉強量を把握し、日々の学習スタイルを定着、さらには大学受験に向けて取り組みやすくしよう、というものです。 しかしながら、この学習記録のプリントだけでは、どうしても生徒たちが「やらされている」という受け身の姿勢になるのが、指導する側の悩みでした。 一時は、学校では細かい指導や助言をせずに様子を見るという方法も試してみましたが、やはり100%生徒まかせでは難しかったというのが現実で・・・。 学習スタイルがなかなか定着せず、成績に結びつかなかったんです。
そこで、スコラを導入しようと決めたんですね。
そうです。何かいい方法がないかと思案しているときに目にしたのが、『スコラ』のDM(ダイレクトメール)で。 さっそく問い合わせて、見本を取り寄せることにしました。実際、現物を手にしてみると、「さすがに学生用にカスタマイズされているだけあって、よく工夫されている。とても高い完成度だ」と、すっかり感動しちゃいました。
生徒が「自らやる」ためには、何か道具や仕組みが必要だと感じていたのですが、まさにこの『スコラ』が「それだ」と直感したんです。 すぐに現在の3年生が進級するタイミングで使おうと計画したところ、一学年下の担任教師たちからも「使わせてみたい」という声があがりました。 それでこの4月から、普通科では2、3年生全員に『スコラ』を導入することになったんです。
『スコラ』を導入するにあたり、事前の指導にも力を入れたということですが。
『スコラ』に対しての私たち教師サイドの期待は、とても高いものでした。 「ぜひ、この手帳を生徒たちに使いこなしてもらいたい」という思いがあったので、そのために事前の指導など準備もしっかりと行うようにしたんです。 まずは、学年集会を開き、「手帳を持つ」という理念について、生徒たちに具体的に説明しました。手帳というものは社会人になると誰もが持っているものであること。そこには仕事やプライベートのさまざまな予定や、重要事項を記録すること。もちろん、私たち教師も、それぞれ自分の手帳を持っていて、「バイブル」のように大切にしていること――。 身近な例をあげることで、なぜ手帳を持つのかという基本をしっかり理解してもらいたかったんです。 また、自分で自分を管理するスキルは、社会人には必要不可欠であることも、わかってくれたのではないかと思っています。
具体的に使いこなすための指導を行なったとお聞きしました。
まず、朝のショートホームルームで、担任が色々な連絡をします。その内容を手帳に書きこませるようにしました。これからの予定であるとか、提出物は何日までに出すとか。担任の先生方も色々と考えてくれました。あらかじめ小さなホワイトボードに連絡事項を書いて黒板に貼り、その内容を生徒自身が手帳に書きこむ。こんな、アイデアを出して実践している先生もいます。
生徒には毎日記録をさせますが、担任の先生は毎日確認することは難しいので、大体週末に1週間単位で見ていきましょう、ということにしています。担任の先生は朝に手帳を集めて、1日のどこかの時間に集中してチェックし、簡単にコメントを書いて放課後に返す。こんなことを行なっています。
手帳の書き方を練習する時間も設けたそうですね。
はい。本物の手帳を使い始める4月以前の3月から、手帳の記入の仕方を練習し始めました。 まずは『スコラ』の見開き1週間分をA4サイズの紙にコピー。それを生徒たちに配り、実際に書き込むことで、1カ月の練習期間としたんです。もちろん、手帳についていた生徒用DVD教材も見せて、基本的な活用法を生徒全員で共有するようにもしました。

手帳にメモをするのが習慣になるまで徹底指導

具体的にどのような手帳の使い方を指導しているのですか?
手帳の使い方は、クラスごとに担任が指導するのが基本です。以前使っていた「学習記録」の代わりとしても使っているので、日々の学習時間や何を勉強したかを必ず記録するのがルールです。 私のクラスの場合は、毎日、朝や帰りのSHR(ショートホームルーム)での連絡事項なども、すべてこの手帳に記入させています。 なので、「連絡事項です」と私が告げると、クラスの生徒全員が一斉に手帳を机に出してメモをとりはじめるんですよ。 各教科の先生にも、「生徒たちは手帳を持っているので、連絡事項は授業の最後にメモするように言って伝えてくれれば、大丈夫です」と伝えて、手帳を活用する環境を整えています。
生徒に手帳が定着したと感じましたか?
はい、私のクラスでは毎週水曜日に手帳を提出し、私が使い方をチェックしているんですけど。 先日、生徒たちから手帳を預かっているときに連絡事項を伝えようとしたら、「手帳を提出中でメモが取れない」と言われたんです。 連絡事項は手帳にメモをとるという習慣がすっかり定着していることを実感して、私自身もうれしくなりましたね。
生徒の手帳はどのような点をチェックしているのですか?
勉強スタイルや手帳の使い方などでよくできていることは、直接手帳にプラスの言葉で書き込んであげるようにしています。 反対に、注意点や反省点などの指示やコメントは付箋で貼るように。 指示されたことをクリアしたら後からはがせばいいし、付箋を貼ることでより注意を引く効果もあります。
チェックしていくうちに気づいたことはありますか?
生徒たちの手帳を毎週見ていると、それぞれの日常生活や時間の使い方が自然とわかってきます。そうすると、私自身、生徒にかける言葉の選択が変わってくるんです。 例えば、ものすごく忙しい時間のやりくりをして勉強時間を捻出している子には、そういう事情を踏まえたうえでのアドバイスや励ましができるようになる。 これは教師としては、とても大きなメリットですね。
夏休み中の受験勉強で、何か手帳を使ったアドバイスはされましたか?
夏休みは、自分の目標や展望をしっかり手帳に書き込んで、その目標を実現するためにやるべきことを事前に細かく割っておくように指導しました。 <夏休み(6週間)でやること>→<6等分して1週間でやるべきこと>→<7等分して1日でやること>というように、夏休み中の目標を達成するために、まずは1日にやるべき具体的な目標まで落とし込むこと。そして、それを手帳に書くことをアドバイスしました。 そうすると、今日サボってしまうと、翌日やることが2倍になるのが手帳を見るだけで実感できるんです。 結果的に、その日やるべきことをコツコツ、スケジュール通りにこなすスタイルが身に付くようになります。
うまく手帳を使いこなせていない生徒には、どんな指導をしているのですか?
生活面で指導をする場合も手帳を利用することで、手帳の生きた使い方を体験してもらうようにしています。例えば身だしなみ指導で引っかかったり、忘れ物をしたりしたら、その生徒たちに手帳持参で集まってもらい、「手帳指導」を行うこともありますね。 「身だしなみ指導で再チェックされる」「必ず持ってきなさいと指示されたものを忘れてしまう」というのは、「いつまでに何をしなければならない」という感覚が欠如しているということ。 それは手帳がきちんと使えてないからではないか?と、実際に本人の手帳を開きながら、話をしたりするんです。学年主任という立場上、私はさまざまな指導をする機会が多いので、そういうタイミングを利用して、自分の担任以外の生徒にも「手帳指導」を行っています。
実際に『スコラ』を導入してみて、どのような点が便利だとお感じですか?
冒頭でもお話したように、あらゆる面で「学生向けに開発された手帳だけある」と満足しています。まずは、1週間が見開きで見渡せるのが、週単位で自分の生活や学習を計画したり、振り返るのに最適です。 あとは、教科ごとに自分が1週間で勉強した時間を塗りつぶすマスがあるのがいいですね。 マスの時間が自分で15分、30分など自由に設定できるのが、さらに使いやすい。個人のペースに合わせられるので、本人のモチベーションアップにつながっています。
自分で設定・計画できるのが良かった点だったんですね。
そうですね、以前使っていた「学習記録」のプリントに比べて、手帳に書き込むようになったことで、過去の勉強の実績や生活リズムを蓄積して見ることができるようになりました。 手帳に何も書かれていない時期があったとしても、それもまたひとつの記録ですよね。 「この時期、自分がサボっていた」ということが、あとから振り返ってわかります。私自身、今手帳を2冊使い分けていて、1冊は『スコラライト』なんです。主に日々のスケジュールなどを管理するのに使っていますが、使い勝手のよさは実感しています。
『スコラ』を導入してどんな成果がありましたか?
実際に手帳を使いこなしている子は、成績がアップしたり忘れ物が減るなど、勉強や生活面での成果があがっています。逆に言うと、「ちゃんとやりたい」という向上心のある子ほど、手帳を上手に使っているという見方ができるかもしれません。

やるべきことを手帳で「見える化」して大学受験に挑む

生徒たちも自分なりの工夫をこらした使い方をしているそうですね。
そうですね。たとえば、ある子は英語が苦手で、その日マスターしたい英単語を付箋で手帳に貼るという勉強法をとっています。 覚えたら、付箋を外す。こうやって、手帳を開くたびに、自分が覚えるべき英単語が一目瞭然となるように工夫しているんです。 手帳で自分のすきま時間を見つけて、うまく勉強時間の組み立てに活用している子もいます。 やるべきことをきっちり書き込むことで常に目にして意識する、チェックボックスを使いこなすなど、それぞれ自分が使いやすい方法を取り入れているみたいですよ。
手帳のカバーにも、それぞれの個性があふれているようです。
本当にそうなんです。ここにお持ちしたように、それぞれが自分の個性に合わせたカバーを工夫しています。 もとがシンプルな白いカバーなので、ビニールカバーとの間に自分好みの写真やイラストを挟めるというデザインは、生徒たちにも好評です。東京ディズニーリゾートに手帳を持って行きミッキーマウスにサインしてもらったり、憧れのサッカー選手の生写真や、部活を引退した時に後輩からもらったメッセージを挟んだり……。そうやって大切なものを手帳に残したり、挟んだりすることで、自分にとってよりかけがえのない、オリジナルな存在となっているようです。
今後、さらに『スコラ』を活用する方法として考えていることがあれば教えてください。
いよいよ受験シーズンも本番です。まずは、ブロック形式になっているメモページに、自分の志望校についての情報をまとめてもらいたいと思っています。 そのうえで、将来なりたい自分への「ロードマップ」を手帳の中にイメージしてもらえるといいですね。また、本校では、例年、B4サイズの紙に、受験する学校ごとの出願、試験、発表、入学手続き締め切りという一連のスケジュールを書いた受験一覧表を生徒自身に作成させています。 できればこの表も、手帳に書き込めないかと検討中です。
けっこう大変な作業になりそうですね。
たしかに文字量は多いですね。だけど、これから生徒たちも忙しさが増していきます。 忙しくなればなるほど、やらなくてはいけないことを手帳に書き込んで「見える化」することが大切になってきますよね。 そういうときにこそ、受験に打ち勝つための自己管理ツールとして、『スコラ』が生徒たちの心強い味方になってくれるはずだと思っています。